緑内障とは気がつかないうちに視野がせまくなっていく視神経の病気です。
視神経が障害を受け、視神経乳頭と呼ばれる部分のへこみが大きくなり
(視神経乳頭陥凹拡大)、見える範囲がせまくなっていきます。
重症の方では最終的に失明する場合があります。
近年、糖尿病網膜症を抜いて成人の中途失明原因の1位になりました。
以下のオクトパス視野計などで視野障害の程度、進行度を判定します。
視野に異常が出るころには約100万本ある視神経のうち半数が障害を受けているとされています。
A1: 40才以上の約17人に1人、70才以上の約8人に1人が緑内障であると言われており、その割合は年齢とともに増加します。
そのうち、9割の方は緑内障であることに気がついておらず、治療を受けていないといわれています。
A2: 家族に緑内障の人がいる方や近視の強い方などがなりやすいとされています。
A3: 一度失ってしまった視野は元に戻せませんので早期発見に発見し、適切な治療が必要です。
適切な治療によって、緑内障は悪化を止めたり、ゆるやかにすることができます。
治療の基本は眼圧(目の固さ)を下げる点眼薬になります。
緑内障点眼は一旦始めると原則、生涯続けなければならないため、当院では種々の検査を行った上で、緑内障治療を開始するか否かの判断を慎重に行うようにしております。
当院では接触型(アプラネーション)、非接触型(ノンコンタクト)の眼圧計に加えて、それらの眼圧計では測定しにくい車椅子の方や小さなお子さんでも測定できる最新型の手持ち眼圧計(iCare ic100)も準備しております。
A4: 点眼薬でも眼圧が下がりにくい方は以下のSLTレーザーで当院にて日帰りで治療することができます。
SLTレーザーでも眼圧の下がらない方は緑内障手術を行い眼圧を下げますが、合併症の危険性も高い手術であるため、手術に踏み切るかはよくご相談してからになります。
A5: 緑内障は超慢性疾患と言われています。
大部分はゆっくりと進行しますが、なかに急性緑内障発作と呼ばれる種類があります。急性緑内障は急に眼圧(眼の固さ)が上がり(固くなり)、眼のかすみ、眼の痛み、頭痛、吐き気などを起こし、重症例では1日で失明する場合もあります。
急性緑内障になりやすい目かどうかは検査すればすぐにわかります。
(中年以降の遠視の女性に多いとされています。)
急性緑内障の予防にはレーザー手術と白内障手術があります。
レーザー(下写真)で虹彩(茶目)に穴をあけ、バイパスをつくることによって、急性緑内障を予防します。
白内障が進行している方であれば、水の流れを邪魔している水晶体を眼内レンズに交換(白内障手術)をすることにより、急性緑内障を予防します。
レーザー手術と白内障手術のどちらの治療を行うかは眼の状態により決まります。
レーザー手術、白内障手術のどちらも当院にて日帰りで行うことができます。
A6: 正常眼圧緑内障という眼圧(眼の固さ)が正常範囲(10‐20mmHg)である緑内障があります。
このため、健康診断の眼圧計(眼に空気をあてる検査)では発見できません。
正常眼圧緑内障は眼圧が高い緑内障(開放隅角緑内障)よりはるかに多く、10倍以上も患者さんがいるとされています。
しかし、視野の悪化は眼圧の高い緑内障よりは遅いとされています。
治療は通常の緑内障と同じく、眼圧を下げることです。眼圧の高い緑内障とはちがい、手術にいたることはまれです。
しかし、一度失った視野は元に戻りませんので、早期に発見し、適切に治療することが重要です。
A7: 緑内障の大部分を占める慢性緑内障では初期から中期ではほとんど自覚症状はありません。かすみやまぶしさを訴える方もおられますが、緑内障に特徴的と言うわけではありません。
急性の緑内障では頭痛、眼痛、吐き気などを訴えたり、目のかすみなどが特徴的な症状です。
A8: 残念ながら普段こうすれば緑内障は進まないとか改善するなどの生活習慣はありません。
もちろん、充分な睡眠をとり、できるだけストレスをためないよう、リラックスして、体全体の健康を保つことは重要です。
ただし、喫煙は視神経の血液循環を悪くするとの報告がありますので、控えてください。
信頼できる眼科医に受診し、適切な診断・治療を受け、点眼薬を処方された方はしっかりと点眼回数を守り、定期検査を忘れないことが最も重要です。
セカンドオピニオンを含め、ご心配な方はお気軽にご相談ください。
緑内障診療・日帰り白内障手術
尼崎市 みやわき眼科
TEL 06-6491-2468