白内障とは年齢を重ねると水晶体(カメラでいうとレンズの部分) が濁り、光がうまく目の奥に通らなくなることで視力の低下がおこる病気です。 (下図)
60才以上の方では約80%、80才以上ではほぼ100%の方が白内障を発症しています。
見え方に不自由のないうちは点眼薬などで経過観察を行います。
かすみや視力低下がすすんできた場合、根本的な治療は手術しかありません。
濁った水晶体を超音波で乳化吸引し、かわりに透明な人工の眼内レンズを入れます。
(下図)
手術時間は10-20分です。
日帰りにて当院で行うことができます。
短時間で終われば、いい手術というわけではなく、安全で丁寧な手術が良い手術であると考えております。
A1: 白内障手術は技術の進歩により、安全な手術になってきました。
昔の白内障手術はほとんど目がみえなくなってから(例えば0.1以下の視力)、行っていましたので、翌日、驚くほど視力が改善されて喜ぶ方がほとんどでした。
しかし、今は技術の進歩と、進行しすぎると合併症が増えるため、昔と比べるとかなり良い視力で手術するようになりました。そのため、過度の期待は術後の不満につながりますので、当院では患者さんとよくご相談した上で手術を行うことにしております。
A2: 白内障手術は点眼麻酔のみでも行えますが、テノン下麻酔(結膜の下のテノンと呼ばれる膜の下に麻酔薬を入れる。)を併用した方が痛くなかったとおっしゃる方が多いため、当院ではテノン下麻酔も充分に行ってより安全な手術を行うようにしています。
テノン下麻酔は点眼麻酔の後に行うため、麻酔時の痛みは点眼麻酔単独とほぼ同じです。
麻酔後、ほとんどの方は痛みを感じなくなります。(さわる感触は残ります。 )
A3: 通常の白内障であれば、日帰り手術で大丈夫です。
難治症例で術後に再手術や処置の必要性が出てきそうな症例については、大学病院や総合病院に紹介し、入院手術にすることも可能です。
A4: 手術にかかる費用は、
70歳以上
1割、2割負担の方は18000円(両眼)
*限度額適用認定証があれば、8000円
3割負担の方は所得により、
変わりますので詳細はご相談下さい。
70歳未満
3割負担の方は約45000円(片眼)
*70歳未満の方でも、高額療養費制度
により、ご負担がより軽くなる場合
がありますので、 詳細はお問い合わせ
ください。
A5: 白内障手術は水晶体の濁りによる視力低下を改善するために行う手術です。基本的にはよく見えている方に手術をすることはありません。
しかし、患者さんご本人が見えていると思っていても、非常に視力が悪い場合があります。 あまりに進行しすぎると、手術が難しくなり合併症の可能性が高くなるため、手術した方が良い場合があります。
また、例外的に水晶体が原因の緑内障(急性閉塞隅角緑内障や水晶体融解性緑内障)などの危険性がある場合も早めに手術した方が良い場合があります。
いずれにせよ、信頼できる眼科医とよく相談の上、手術することが重要です。
当院では患者さんのご希望を尊重し、無理に手術をすすめることはいたしません。
A6: 手術直後にすごく見えるようになった方の場合は1か月ほどで脳が抑制をかけるため、直後の見え方より悪くなったような気がしますが、視力は落ちていないことがほとんどです。
手術後、数か月から数年後にみえにくくなった場合は後発白内障(下図) とよばれる眼内レンズを入れたふくろ(水晶体嚢)が濁ってきていることあります。この場合でも当院にて日帰りレーザー手術で濁りをとることができます。
A7: 白内障手術は通常約2-3mm目を切開して、手術を行います。
そのため、わずかに出血して赤くなることはごく普通のことです。(時々、まったく出血しない人もいます。)
また、目を切開していますので、多少のゴロゴロ感はあります。(これもまったくゴロゴロしない人もいます。)
出血もゴロゴロ感も1カ月もすれば、ほとんどなくなります。
しかし、痛みや充血が強く、視力低下などがある場合は感染をおこしている可能性があるため、できるだけ早く受診することが重要です。
緑内障診療・日帰り白内障手術
尼崎市 みやわき眼科
TEL 06-6491-2468